Profile

Yoshiko Ikeda

L’ Atelier Gracieux ラトリエ グラシュー 主宰
カルトナージュ作家

鎌倉の穏やかな山の中、主人と娘と3人で暮らしながら、

カルトナージュのアトリエ 「L’Atelier Gracieux ラトリエ グラシュー」を主宰しております。 

「L’Atelier Gracieux」というアトリエ名は、

「Gracieux」 = 「淑やか」という私自身の名前から付けました。

留学時代に出会った 
Art de Vivre (アールドゥヴィーヴル)” と 

“Hearth & Home (ハース&ホーム)” の暮らし

地元鎌倉で育ち、子ども時代は、スポーツや書道等に励む一方、

雑貨やステーショナリー、布小物が大好きで、文具店・手芸店によく足を運びました。

小物を作るための布やリボン、ビーズなどの組み合わせを、夢中になって考え、

作って出来上がると、お気に入りの箱に入れ、取り出しては使って、飾っては眺め、と

ワクワクする時間を過ごすことが大好きな子どもでした。

学生時代は、法学部で学ぶ傍ら、英国人の先生や海外で研鑽を積まれた教授の影響を受け、

卒業後は、米国ミネソタ州ツインシティーズ (ミネアポリスとセントポールからなる都市)で、

4年半の留学生活を送りました。

クリニカルソーシャルワークの分野にて、大学院修士課程に進み、

セラピスト・カウンセラーとしてインターンをしながら、

修士号を取得しました。

そのツインシティーズでの暮らしが、その後の私の人生を大きく変えました。

当時、モダンな高層ビルがどんどん建っていったミネアポリス、

対して、ヨーロッパ由来の歴史を感じる美しい建物や落ち着いた街並みのセントポール。

湖と大自然に囲まれた、その2つの街は絶妙なバランスで共栄し、

毎日その街並に身を置きながら、沢山の心の潤いと限りない刺激を受け取り続けました。

その間に、親身にサポートして下さった教授陣や、
インターン先のスーパーヴァイザーの方々、

友人たちのお家に招かれる機会も多々ありました。

そのお家ならではの温もりを感じるアートや思い出の写真、

テーブルや書棚に置かれた美しい木箱、

受け継がれてきた家具や素敵なカーテン・ソファ・クッション等の布製品に、

うっとりとさせて頂く機会を得ました。

さらには、パートナーやお子さんたちに、感謝の気持ちや励みとなるメッセージを、

真っ直ぐに伝える姿を目の当たりにし、まさしく家族生活を大切にしながら、

”Art de Vivre (暮らしの芸術)” と “Hearth & Home (温かい関係に根差した幸せ)” を、

体現している暮らしに触れることができました。

英語については、留学当初、得意で行ったわけではなかったので、

日々の授業、テスト、レポート、リサーチや論文など、

英語での苦労は、語り出したら止まりません^^

時には泣きながら、時には、わからないところが無くなるまで質問し、

諦めずに取り組み続けることで、体得していきました。

他にも、習慣・文化・物事の運び方の違いで、何事も先ずは交渉してみるという日々、

いつの間にかwin/winを目指しながら、実現していく感覚を身につけていきました。

そのような中、休日に、インテリアショップや美術館に出掛けたり、

趣のあるカフェで仲間と語り合ったり、単館系の映画館に身を置いて、

自分なりのアイディアや心に残ったことを書き溜めること、

また一人暮らしのインテリアを楽しむことが、自分へのご褒美であり、乗り越えていく糧となりました。

カルトナージュとの出会い 
憧れが形に

その後、日本に帰国し、セラピスト・カウンセラーとして仕事に励みました。

同時に、大学で特別講義を行なったり、共著での執筆活動を行うなど、

多忙な日々を過ごしました。

10代から80代の方まで、幅広い年齢のクライアントの方々と会いました。

ご相談を通して、自己表現や自己発見をサポートし、

解決とその先を共に考える日々を送りました。

小さなきっかけを自ら掴んで、変化・成長を遂げていかれる姿に、

胸打たれることが何度もありました。

私自身も、より充実した人生を送りたい、

尊敬し合えるパートナーと幸せな家庭を築いていきたいと思うようになり、結婚。

新居を鎌倉山に構え、建築プランがすでにスタートしていた住宅を購入。

造りは、大工さんが精魂込めて建てて下さった佳い家でしたが、

建具や内装は制約があり、必ずしも思い通りのものではありませんでした。

折角購入した我が家、少しでもお気に入りの空間にしていきたいと思っていた中、

偶然出会ったのが、カルトナージュでした。

2007年カルトナージュのワークショップやカルチャーセンターでの受講をきっかけに、

2008年アトリエカルトナージュ・ビジャー香代子先生が開講された

「サーティフィカコース (プルミエ・ドゥゼーム・トワゼーム)」

「ディプロマコース」に進みました。

ドゥゼームまでは、複数の才能豊かな認定講師の先生方にご指導頂き、

以降は、フランスと日本を行き来されるビジャー先生の素晴らしいセンスのもと、

フランスで培われた伝統技術と、さらに独自に発展された技術のご指導を頂いてまいりました。

子供の頃から大好きな布、箱、リボンなどの素材、

カルトナージュの技術で、絵心がなくとも、

それらが美しい作品として生み出されいく・・・

さらに自分なりの美や自己表現を形にできたらと思っていたことが、

同時にカルトナージュを通して叶っていく・・・

そして、心地よい空間づくりへとつながる・・・

「私が求めていたのは、これだ!」とカルトナージュの世界にすっかり魅了されました。

2010年にディプロマコースを修了、ディプロマ取得。

以来、2022年末日のサーティフィカ・ディプロマコースが閉講されるまで、認定講師。

作品展にも多数出展させて頂きながら、

現在もスキルアップのための受講を継続しております。

米国でカルトナージュ講師をスタート

ディプロマを取得した翌年から、主人の仕事で再び渡米、

カリフォルニア州サンフランシスコ近郊サンノゼで、

4年間の駐在生活を送ることとなりました。

新生活が落ち着いてくると、

渡米以前に、雑誌「Victoria ヴィクトリア」の記事に出ていた

サンフランシスコの老舗リボンショップ

「The Ribbonerie (リボネリエ)」に、足を運ぶようになりました。

日本の木馬やS.I.Cをはじめ、フランス・ヨーロッパ各地、アジア各地、
アメリカ国内など世界中から集められた良質のリボンたち、

アンティークレースや、帽子の装飾素材などと共に、店内一杯に並べられ、

素晴らしいコレクションに毎回クラクラするほど美しいお店でした。

何度か訪れるうちに、「The Ribbonerie」のオーナー Paulette (ポーレット) さんから、

「このリボンで何を創るの?」とお声掛けを頂いて、

その時持参していた ソーイングボックスと花びらのトレイの作品をお見せしました。

「カルトナージュの作品創りに使うんです。日本でディプロマを取得しました。」とお話すると、

「是非、お店でカルトナージュのレッスンをしてみない?」

と、大変光栄なお申し出を頂きました。

留学時代に沢山の学びを得た分、次に戻って来ることがあったら、

今度は、自分が何かで貢献する番だ、という夢があったので、

L2ビザの範囲で、すぐに手続きを取りました。

さらに幸運にも、新しい命を宿すことができ、

みるみる大きくなるお腹を抱えながら、

講師としてスタートすることになったのです。

娘を出産後も、レッスン中は主人が育メンをしてくれました。

老舗リボン店 「The Ribbonerie」は、

サンフランシスコの ヴィクトリア様式の美しい住宅街の中にありました。

リボンアーティスト、服飾・帽子デザイナー、ウェディングデザイナー、

フラワーデザイナーなど、業界で活躍する方々から、

幅広いジャンルに渡る手工芸愛好家、コレクター、学生、

プレゼントのためのリボンを探しにくるママ/パパとお子様など、

リボンを愛する様々な方がいらっしゃる本当に素晴らしいお店でした。

カルトナージュのレッスンでも、The Ribbonerieのお好きなリボンと組み合わせて頂いて、

それぞれの方の思いやストーリー、「好き」が込められた

一つ一つの完成作品は、多様な魅力に満ち溢れていました!

そして、何よりも嬉しかったのは、そのリボンを愛する素敵な皆さんが、

私の第2言語としての英語でのレッスンでも、

「今まで、いろんなことを習ってきたけれど、こんな教え方をしてもらったのは初めて!」

「技術の上に成り立つ作品の美しさに、信頼がおける!」

「Yoshiko のセンスからいろんな刺激をもらえる!」と

高く評価して下さったことです。

教え方、技術力、作品センスを、

アメリカ人の方々らしくストレートに褒めて下さり、

一人ひとりの生徒様に励まされ、大きな自信を頂きました。

そして、その機会を惜しみなく与え優しく見守り続けて下さった

「The Ribbonerie」のオーナー Pauletteさんに、今も心より感謝致しております。

そうして、The Ribbonerieでの生徒様が、自宅レッスンにもお越し下さるようになり、

さらに日本人の方々も、お越し下さるようになり、本当に豊かな日々を過ごさせて頂きました。

鎌倉山にて カルトナージュレッスン

2015年夏、駐在期間を終えて、日本に帰国。

子育てとバランスを取りつつ、一層、人との出会いの豊かさを実感しながら、

自宅レッスンを中心に、

鎌倉山にて 「L’Atelier Gracieux ラトリエ・グラシュー」を主宰しております。

“Art de Vivre” 暮らしの芸術

“Hearth & Home” 温かい関係に根差した幸せ

“自己発見の喜び“

“自己表現の充実感“

レッスンを通じて、自然と、生徒様がご自身の「好き」を開拓し、

プロセスの面白さと完成の喜びを感じ、

作品を存分に活用して下さる姿を拝見できることが、とても嬉しいです。

さらには、生徒様が、御家族や周囲の方々から、

「こんな素敵なものが作れるの!って驚かれました!」

「姉に創って送ってあげたら、すごく喜んでもらえました!」

「お友達が遊びに来て、癒されるって言われました!」

と嬉しそうにご報告して下さる笑顔に、幸せの循環と大きな喜びを感じております。

私自身も、その時その時の自己研鑽の成果として、作品展等にも出展しながら、

カルトナージュの旅を歩み続けています。

かつて学んだタッセルメイキングやリボンワーク、バッグ制作に加え、

ここ数年は、カリグラフィーやアンカードルモン(額装)も学び始め、

カルトナージュとの組み合わせを楽しんでいます。

カルトナージュを通して、ご自身の「好き」を掛け合わせながら、

潤いのある、心豊かなうっとりライフを叶えていくお手伝いができたらと思っております。

どうぞ宜しくお願い致します。

L’Atelier Gracieux ラトリエ グラシュー 

Yoshiko Ikeda

出展

2008年 アトリエ カルトナージュ 第5回作品展「Blanc et Noir」
2010年 アトリエ カルトナージュ 第7回作品展「Porte-Bonheur 幸運のモチーフ」
2012年 アトリエ カルトナージュ 第8回作品展「英国 London Belgravia」
2017年 アトリエ カルトナージュ 第10回作品展「姫君の宝石箱」
2018年 書籍「Atelier Cartonnage – Bigeard 香代子 & Members」New York Art社 丸善出版
2018年 アトリエ カルトナージュ 第11回作品展「Mon Trésor 私の宝物」
2019年 上野 東京都美術館 21世紀アートボーダレス展 2019
2019年 六本木 国立新美術館 21世紀アートボーダレス展 「Japan」
2022年 六本木 国立新美術館 21世紀アートボーダレス展 「煌星」
2023年 六本木 国立新美術館 21世紀アートボーダレス展 「Aurora」