“Once a Year 七夕の日の願い事” : A Cartonnage Art Work for the Exhibition 21世紀アート ボーダレス展 2019 JAPAN 出展作品


こんにちは。
この2日間、久々にすっきりと晴れ渡る日和に恵まれました。
しばらく五分〜八分咲きだったご近所の桜も、一気に満開を迎え、
自然が与えてくれるその美しさに、
しばし見惚れ、目頭が熱くなりました。

本日は、なかなかUPできていなかった
作品を紹介させて頂きたいと思います。
昨年11月下旬から12月上旬にかけて、
六本木国立新美術館にて開催されました
出展致しました作品です。
「JAPAN」というメインテーマのもと、
私にとって、初めて、
カルトナージュで、和を表現した作品となりました。
私自身の作品テーマは、
“Once a Year  七夕の日の願い事”
 – Making Wishes on July 7th in the Weaver Festival –

一年に一度だけ、7月7日に、天の川(Milky Way)を渡って、
会うことが許された夫婦、彦星(Altair)と織姫(Vega)の言い伝え、
そして、数種の由来が重なり、現代に伝承された七夕の文化。

娘が、幼稚園の七夕行事で、
毎年、純粋に自分が望んでいることを、
短冊に書いて笹飾りをしていたことが印象的で、
私も、娘と一緒に、短冊に書き綴り、
七夕の文化を家族で親しむひと時を持ち続けることができたらと思い、
“Once a Year 七夕の日の願い事”という作品を創りました。

そして、作品制作の過程で、もう一つ、自分の中で掲げた目標が、
「シンプルなフォルムの中にも、全方向に展開する動きのある作品を創る」
ということでした。

蓋と3段の造りから成るこの作品、
写真と共に、お楽しみ頂けましたら、幸いです。

天の川は、船で渡ったとも、
カササギが橋を造ってくれて、橋で渡ったとも言われています。

私は、天の川に橋がかかり、
彦星と織姫が、年に一度、お互いが橋を渡って再会を慈しむ情景が思い浮かび、
作品の一番上に、架け橋のイメージで、左右に開く橋型の蓋をデザインしました。

Topから見ると、蓋も含め、箱全体が長方の八角形であることがわかります。
「八」は、末広がりで縁起が良く、八方から幸運を呼び込み、
また、八徳として、人が生きていく上で、
大切にしていくべきことを表していると言われています。

蓋の左右には、織姫と彦星のイメージで、
京都友禅紙、吹き流しの夫婦柄を用いています。

手前のつまみ金具を持って引き上げると、
上から1段目が顔を覗かせます。

蓋を開ききると、お揃いの吹き流し柄のトレイが。
蓋裏には、ゴールドと赤の市松模様を背景に、
梅結びの水引を飾ったポケットをあしらいました。

市松模様は、無限にどこまでも展開していく「繁栄」を意味する縁起の良い柄。
すでに延期が決定しておりますが、
2020年東京オリンピック・パラリンピックの
公式エンブレムでも使われている柄で、
記念に是非用いたいと、
この作品の中に、ゴールド x 赤、ゴールド x 黒、ゴールド x 白の
3種の市松模様を散りばめました。

左側の蓋を開くと、同じようにお揃いの青の吹き流し柄トレイ。

梅結びは、水引細工40年のベテランの方の作品を使わせて頂きました。
しっかりとした造りに、40年の技術のオーラ、
小さな飾りもほどこされ、ぐっと惹き込まれる何とも美しい輝きを放っています。

梅結びの意味は、3通りあると言われています:
固く結ばれた絆
無病息災、厄除けの縁起物
運命の向上

彦星と織姫の絆しかり、
家族の絆と今後のさらなる幸せへの祈りを込めました。

左右両方向に蓋を開いた姿です。
可動式の織姫と彦星のトレイは、そのカーブで、
天の川を切り取っています。

トレイを外すと、
どこまでも広がる星空☆

トレイを揃えると、彦星と織姫も、互いに寄り添っているかのように… ♡

作品の両サイドには、自作のスライドバーを取り付けました。
市販のスライドバー金具では、2段目が開き切らない難点があり、
カルトンと割りピンをベースに、
2段目が開き切る、
丁度良いサイズのものを創ることができました。

タッセルは、京都の職人の方が創られたものです。
そのタッセルを掛けている透かし金具をつまんで、
後ろに開くと…

2段目が現れました。

五色の短冊です。

そして上から3段目は、引き出しにしました。
中には、書道のお道具箱を収めました。

書道箱の蓋を開けると…
願い事を認める小筆と
小筆用の硯や文鎮、墨、水差しや筆置きが収まっています。

願いや思いを真っ直ぐな気持ちで、綴れる自分でありたい。

こちらも、市松模様で、夫婦箱にしてみました。
燻したゴールドに、差し色の赤、引き締めの黒が、気に入っています。

本体の黒と内底のゴールドは、スキバルなので、墨汁や水こぼれても、
さっと拭き取れます。

最後に、全てを展開した姿です。
左右、前後、4方向全てに展開する七夕の文化に親しむ箱。

黒のベルベット調クロスをベースに、
シンプルながら、和紙や金具が映える、
私らしい和のカルトナージュ作品となりました。

皆様、本日は、長文の作品紹介にお付き合い下さいまして、
誠にありがとうございました。

このような状況下においても、
日本を初め、世界各国の方々が、このBlogに訪問して下さり、
私にとって、大きな励みとなっております。
心より感謝申し上げます。

皆様にとって、少しでも心の潤いとなるようなBlogを、
綴っていくことができたらと思っております。

宜しくお願い申し上げます。

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