Jour de muguet

 
今日は、5月1日。
フランスでは、「muguet ミュゲ(すずらん)の日」として、
大切な人にすずらんを贈り、
贈られた人には幸運が訪れると言われている日ですね。
 
 
今日は作品の制作中に、どうしてもこのリボンを眺めたくなって、
大好きなリボンが詰まった箱の中からそっと出してきました。
 
すずらんのジャガードリボン。
アイボリー地に、
モスグリーン、フレッシュグリーン、ペールグリーン、
そしてオフホワイトで織られた
うっとりと心奪われてしまう美しいリボン。
2年前の、私の大切な方との思い出のリボンです。
 
 
その方は、
San Francisco, Presidio Heights
(サンフランシスコ、プレシディオハイツ)にある
 リボン専門店
The Ribbonerieのオーナー、
Paulette Knight(ポーレット ナイト)さん。
私に数え切れない程の幸運をもたらしてくださった方です。
 
当時のSan Jose(サンノゼ)の自宅から,車でハイウェイを飛ばして約1時間15分、
日本にいるときにVictoria Magazines(ヴィクトリア マガジン)で拝見して、
渡米した際には是非一度と思っていたThe Ribbonerieのお店に、
ドキドキしながらも、何度か足を運ぶようになりました。
フランスのリボンを中心に、
天にも昇るような美しい素材やデザインのリボンたち
トリムやタッセル、ブレードなどの装飾品、
レースやモノグラムハンカチーフ、ミリナリーパーツなど、
貴重なアンティークも含めて、
一つ一つのアイテムをゆっくり眺めることが好きな私を、
いつもそっとしておいて下さいました。
 
ある日、いつものようにじっくり拝見した後に、レジでお会計をしていたところ、
「これで何を作るの?』と興味を持って下さり、
持ち合わせていたカルトナージュの作品をお見せすると、
「とっても素敵!どうやって作るの?」
「是非うちで教えてみない?」と
お声掛け下さったのです。
大変勇気がいりましたが、レッスン開講をお受けすることとなりました。
 
ビザの更新時期と重なっていたので、すぐに一時帰国して、
生徒様用の基本の道具を調達。
戻ってくる前に妊娠していることがわかり、
一時期つわりでふらふらの状態に。
初回レッスン開講を安定期に入るまで待って下さり、
開講後は、カルトナージュを通して、
沢山の素敵なマダムたちとお会いすることができました。


産後も、レッスンに主人と娘が同行してくれて、
Pauletteさんには家族のように接して頂いて、
リボンのビジネスを立ち上げた経緯や、
30年間切り盛りされてきた経験をお話しして下さったり
レッスン後のfeedbackを下さったり、と
本当に、感謝の念に堪えません。
 
時が流れて、帰国が決まって、
あと来れても1,2回という頃、
The Ribbonerieのリボンの中でも、
希少なジャガードリボンが収められたキャビネットの中から、
このすずらんのリボンを手に取りました。
 
 
1 yardのpriceも相当なもの。
悩みながら購入希望の長さをお伝えしたところ、
シュルシュルシュルっとさらにロールを解いて、
“I hope it’s gonna be something to remember me.”
と、御厚意でプレゼントして下さったのです。
 
この思い出のすずらんのリボンを、作品として昇華するのが私の夢。
シンプルでありながら、幸運のエッセンスが詰まった作品
に是非したいなと思っています。
 
Jour de muguet、
皆様にとって
新たな幸運の始まりの日となりますように。
 
 
よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
Contents